はじめに
今回は無機塗料についてお話したいとおもいます。経緯は先日お客様のもとに御見積書を提出した際、「ゴールドプランの無機塗料って何がいいの?」と聞かれたからです。たしかにフッ素樹脂塗料よりも単価が高く高価なこの塗料、何がそんなにいいのか説明できたらいいとおもいます。
1.無機塗料が誕生した経緯。
フッ素樹脂塗料が最高の塗料だった時代に、高価で精製が困難なフッ素樹脂を使わなくても、フッ素樹脂を超える塗料の開発が進んできました。そこで誕生したのが、無機塗料です。
無機素材の質と量に特化したさせ、経済的にも耐久性的にもフッ素樹脂塗料を超えるすぐれた塗料の開発が可能になったのです。
2.無機塗料とは?
まず有機物と無機物の違いですが。簡単に言うと次のようになります。
有機物・・・石油化学製品(プラスチック類)、木材、紙など
特徴『炭素原子を含む』、『紫外線で劣化する』
無機物・・・ガラス、石などの鉱物、セラミック、瓦、レンガ、金属、タイルなど
特徴『炭素原子を含まない』、『紫外線で劣化しない。半永久的に。』
外壁や屋根を守る塗料について考えるとすれば、炭素原子が含まれないと、紫外線による塗膜の劣化を防ぐことができます。
ですが、無機物のみで塗料を作ることは難しく、柔軟な有機物も含まなくては硬くて塗料としては不向きです。従って半永久的とはいかないまでも、最高30年もの期待耐用年数をほこる塗料も誕生してます。弊社も使用するこの塗料の無機成分含有率は50%以上です。
3.まとめ
無機塗料と同じシロキサン結合で形成された。シリコン樹脂塗料は、コストを意識しながらの配合率で無機素材(珪石から生成された金属ケイ素)を選び、大きく価格に反映しない程度で、無機素材ならではの機能(耐候性や親水性)を導入した塗料になります。
無機塗料は、無機素材を高い割合で合成されており、シリコン樹脂塗料とは無機素材の質も量も違います。塗料に使われる樹脂の中でもっとも結合エネルギーが高いのはフッ素樹脂で、そのエネルギーはシロキサン結合よりも上回りますが、最初に述べたようにフッ素樹脂は高価などの問題があります。
ですので、同じ耐候性の塗料を設計した場合、フッ素樹脂よりも無機素材の質と量を特化した塗料をつくれば経済的にも耐久性的にもフッ素樹脂塗料を超える優れた塗料です。
フッ素樹脂塗料よりも超耐候性で超低汚染な無機塗料もぜひ考えてみてはいかがでしょうか。